PCMark 10における良いスコアとは

PCMark 10は、PCのパフォーマンスを測定するための業界標準のベンチマークです。ウェブブラウジングやビデオ会議などの日常的なタスクから、文書や表計算などの一般的なオフィス生産性タスク、さらには写真や動画編集などデジタルコンテンツを扱う負荷の高いタスクまで、現代の職場で行われるさまざまなタスクをカバーする包括的なテストが多数収録されています。

PCMark 10は、PCシステムを比較するためのスコアを算出します。スコアが高いほど、パフォーマンスが高いことを示します。では、PCMark 10における良いスコアとはどのようなスコアなのでしょうか。また、スコアが自分のシステムにとって正しいスコアかどうかどのように見分けることができるでしょうか。

PCMark 10の結果の内訳

PCMark 10のベンチマーク結果には、概要レベルのベンチマークスコア、中度のテストグループスコア、細かいワークロード スコアが含まれます。

PCMark 10のベンチマークの設計の略図

メインのPCMark 10ベンチマークスコアは、現代のオフィスワークにおけるシステム全体のパフォーマンス指標を示します。

PCMark 10テストグループスコアは、生産性やデジタルコンテンツ制作など、特定の作業に対するPCのパフォーマンスの理解に役立ちます。

ワークロード スコアは、ウェブブラウジング、表計算、動画編集など、特定のタスクに対するシステムのパフォーマンスを示します。

PCMark 10の結果は、完全なシステムパフォーマンスを反映しています。各ワークロードは、システム全体を用いる傾向があります。CPU、メモリ、ストレージ、そして場合によってはGPUも含まれます。詳しくは、各テストの測定項目とスコアの算出方法が記載されているPCMark 10テクニカルガイドを参照ください。

正確なベンチマーク結果を得るには

ベンチマークの方法ガイドには、正確で一貫したベンチマーク結果を得るためのPCのセットアップ方法が記載されています。OSやデバイスドライバーを最新の状態に保つこと、バックグラウンドで動作している可能性のある他のプログラムを終了させることが重要なポイントです。

安定したパフォーマンスを発揮するシステムでPCMark 10を繰り返し実行すると、通常3%の誤差内でスコアを得ることができます。

最新のマルチタスクOSでは、スコアに影響を与える要因を完全に制御することができないため、個々のスコアがこの誤差の範囲外になることがあります。また、設計上の理由でパフォーマンスが一貫しないデバイスもあります。ベンチマークを複数回実行し、その結果の平均を計算することで、より確実な結果を得ることも可能です。

PCMark 10でPCのパフォーマンスをチェックする

PCMark 10をはじめとするベンチマークの利用方法は、大きく二つに分かれます。一つは、お使いのPCが故障や問題なく期待通りのパフォーマンスを発揮しているかどうかを確認することです。もうひとつは、どのシステムを購入するか決めるために複数のシステムのパフォーマンスを比較することです。

当社のウェブサイトである3dmark.comで、類似システムのベンチマークの結果を調べ、簡単にスコアを確認することができます。

ベンチマーク結果の検索

最上部のドロップダウンメニューからPCMark 10を選択します。次に、[Advanced Search](詳細検索)タブをクリックします。

CPUとGPUのモデル、および該当する場合はGPUの数を入力します。次に、[Search](検索)ボタンをクリックすると、同じようなシステムを使用しているユーザーの実際のベンチマーク結果を見つけることができます。

同じようなハードウェアを持つ他のユーザーの結果と自分のスコアを比較することで、そのスコアが期待される範囲内のスコアかどうかを確認することができます。通常、スコアのわずかな差は、ストレージやメモリのパフォーマンス、ドライバーやOSのバージョンの違いによるものです。同じようなシステムよりもスコアが大幅に低い場合、構成やハードウェアの問題が示されている可能性があります。

PCMark 10でPCのパフォーマンスを比較

自分のシステムのスコアが正しいことが分かれば、他のシステムとの比較を行うことができます。

3dmark.comで自分のPCMark 10 ベンチマーク結果を表示すると、他のユーザーのスコアとの比較を表すグラフが表示されます。結果は、オレンジ色で表示されます。

ベンチマーク結果の検索

お使いのPCを複数の参照システムの結果と比較することができます。小さな矢印をクリックすると、各システムのハードウェアの仕様が表示されます。

グラフのグレーの部分は、弊社データベースに登録されている全PCMark 10スコアの分布を示しています。曲線の高さは、その範囲にあるスコアの多さを示します。

この例では、当社のデータベースにあるPCMark 10のスコアの60%よりもユーザーのスコアが高いことがわかります。また、PCMark 10のスコアは5,100前後が最も多いことが分かります。

PCMark 10における良いスコアとは

PCMark 10のスコアの良し悪しは、PCをどのように利用したいかに大きく依存します。メインのPCMark 10ベンチマークスコアでは、PCの全体的なパフォーマンスを把握することができます。ただし、特定のニーズがある場合は、テストグループの点数を合わせて確認することをお勧めします。

例えば、PCを一般的なオフィスの生産性作業に使用するだけであれば、デジタルコンテンツ制作に強いシステムである必要はありません。

簡単な作業を行うための一般的なPC向け

PCMark 10 Essentials スコアで4100以上のシステムを推奨します。

一般的なオフィス作業や簡単なメディアコンテンツ制作向け

PCMark 10 Productivityのスコアで4500以上のシステムを推奨します。

写真、動画、その他のデジタルコンテンツ編集向け

PCMark 10 Digital Content Creationのスコアで3450以上のシステムを推奨します。

複雑なレンダリングやリアルタイムグラフィックスの処理、また、ゲーム用のPCが必要な場合は、当社の人気ベンチマークの3DMarkベンチマークでシステムパフォーマンスの測定と比較を行うことをお勧めします。

法人、政府機関、出版関係者の方は、PCMark 10をはじめとするUL Solutionsのベンチマークのご利用についてぜひ弊社にご相談ください。

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